“馬楽園的”ニュース 2018年新規調教師試験合格者発表!上村洋行氏、加藤士津八氏など

JRAは、2018年度新規調教師試験合格者を発表した。

合格者は
石坂公一、稲垣幸雄、上村洋行、加藤士津八、坂口智康の5人である。

懐かしい名前がチラホラと…

上村洋行氏は元騎手で重賞を10勝している。
スリープレスナイトやサイレンススズカなど
印象的な騎乗馬も数多い。

加藤士津八氏も元騎手。現役時代は通算20勝と
苦労されたが、お父さんは加藤和宏調教師(元騎手)

また同じく合格者の石坂氏、坂口氏もお父さんは
現役のJRAの調教師である。

今日は新たな門出のお祝い(?)に新規調教師試験合格者の中から
代表して上村洋行元騎手と、加藤士津八元騎手にスポットを当ててみよう。

目次

上村洋行元騎手(44)

上村洋行元騎手はJRA通算570勝
2014年2月に引退し、引退後は池添兼厩舎で
調教助手を務めるとともに、調教師を目指していた。

現役時代は重賞を通算10勝

騎手デビューは1992年。
同期に後藤浩輝元騎手、横山義行騎手らがいる。

騎乗技術はデビュー当時から高く評価されており
1年目から京王杯AH(GⅢ)をトシグリーンで制するなど
いきなり40勝を上げるなどの活躍を見せる。

その勢いは止まらず2年目には53勝
3年目には、94年の日本ダービー2番人気
ナムラコクオーに騎乗(6着)するなど、
将来を嘱望された若手騎手であった。

その後は眼の病気(飛蚊症)もあって伸び悩み
結局GⅠ勝ちは、2014年のスリープレスナイト(スプリンターズS)
のみであったが、印象的な活躍をした騎手であった。

サイレンススズカと上村洋行

上村洋行元騎手は
1998年、東京競馬場の青空に散った伝説の逃げ馬
サイレンススズカ主戦騎手であった。

サイレンススズカのデビューからの6戦(新馬戦→神戸新聞杯)の
手綱を取っていたのが上村洋行元騎手だった。

デビュー当初のサイレンススズカは
ポテンシャル自体は凄まじいものの
その余りある素質を制御できないほどの気性の若さや
レースでの戦法が固まっていないこともあって
人気にはなるが、負けるということを繰り返していた。

しかし、陣営一丸となり未来の飛躍に向けて
試行錯誤の日々。

ターニングポイントは6戦目の神戸新聞杯(GⅡ)

道中快調に逃げをうち、直線半ばまで後続に大きな差がついていた
上村洋行騎手は、勝利を確信し直線半ばで追うのをやめてしまった。

しかし、外から猛然と追い込んだ
マチカネフクキタル(後の菊花賞馬)にゴール寸前で交わされ
勝てていたレースを2着に落としてしまう。

勝てたレースを自らの手で潰したことで、
デビューから主戦騎手を務めてきた上村洋行騎手は
このレースを最後に降板させられてしまうのだった。

傍から見ると「油断騎乗じゃね(*’ω’* )」(※油断騎乗は制裁対象)
と映ったかもしれない。

後に上村洋行騎手は自信のブログで
「次走の天皇賞のことを考え、出来る限りダメージの少ない競馬を…
と考えたのが仇になった。今でも後悔している」と反省の弁を述べている。

その後のサイレンススズカの大活躍を見ると
色々な複雑な思いが湧いてきたそうだ。

今後は調教師としてサイレンススズカのような名馬を
是非育成してほしいものである。

加藤士津八元騎手(32)

加藤士津八騎手はJRA通算20勝。
同期には石橋脩騎手、松岡正海騎手など。

初年度に7勝を挙げるが、デビュー3年間の勝ち鞍は19勝。
「減量が取れてからは勝ち鞍が低迷する」パターンにはまり
その後は、徐々に騎乗数・勝利数ともに減少の一途を辿る。

それでもアイルランド、イギリス、フランスなどに
積極的に遠征し、騎乗技術の向上に向けての努力を積むが
JRAでは2009年以降は未勝利。

思い切って障害競走へ活路を見出すが、結果が出ず
結局2011年12月31日をもって騎手を引退することとなる。

その後は父である加藤和宏厩舎の調教助手に転身する。

父は加藤和宏調教師(元騎手)

騎手としてはなかなか芽が出なかった加藤士津八元騎手だが
実は血統は、なかなか凄い。

父の加藤和宏調教師は元騎手でJRA通算604勝

85年、紆余曲折がありながら
日本ダービーを制したシリウスシンボリ

「ベガはベガでもホクトベガ」
馬場鉄志アナウンサー(元関西テレビ)が叫んだ
93年のエリザベス女王杯ホクトベガなど

大舞台での「仕事人」としての印象が強い
関東を代表する名騎手だった。ダビスタ96ではお世話になりました。

調教師としても、調教助手に転身した士津八氏とのタッグで
管理馬のハナズゴールでオーストラリアのGⅠを制覇している。

名騎手だった加藤和宏調教師も現在61歳。
ひょっとすると息子の士津八氏が調教師免許を取ったのも
「定年」というゴールが見えてきているのも関係しているかもしれない。

まとめ

いかがだっただろうか。

今年の調教師試験合格者は競馬界に
血縁関係を持つ方が非常に多い印象。

今後は、調教師として永く活躍できる名馬を育ててほしいものである。

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