4/18(水)は
大井競馬場で交流GⅢ
東京スプリント(ダ1200m)が行われる。
以前は
東京シティ盃(ダ1400m)で施行されてきた
本レースだが2009年からはダートグレード競争に格上げ。
今回は出走馬の中から
まだまだ元気な10歳馬
スノードラゴン、コーディーに
注目してみた。
この2頭
なかなか味わい深い血統をお持ちですぞ…。
目次
スノードラゴン(牡10歳) 55戦8勝
出典:https://kamikeibalog.com/archives/7720
年々、馬体が真っ白になっている
スノードラゴン。
2014年のスプリンターズS(GⅠ)を
13番人気ながら大外一気の鬼脚で
ブッコ抜いてからはや4年。
その後も
ダートでも芝でも
中央でもローカルでも
中央の重賞でも地方交流競走でも
元気に走り続け、未だに上位に食い込んでくるのは
“お見事!”の一言に尽きる。
3走前のカペラS(GⅢ中山ダ1200m)でも
8番人気ながら2着に突っ込んできており
「いつかどこかでまたやってくる」
感は、常にプンプン漂っている。
…だが、未だに引退できないのは
「血統が魅力的でないから?」
「種牡馬としての需要が無いから?」
とか色々考えてしまうなぁ。
出典:netkeiba
父アドマイヤコジーン
母父タヤスツヨシ
母系から
「弾丸シュート」
サッカーボーイが出ている血統ではあるが
確かに血統は流行とは違うものかもしれない。
しかし!!
それでもスノードラゴンは
元気いっぱい、日本中で走り回る。
調教では
4/15 美浦坂路で一杯に追われ
重馬場ながらラスト1F12.7秒で纏めている。
調子もなかなか良さそうだ。
大野拓弥騎手とのコンビは
今ではもうお馴染み。
展開がハマればまだまだ
一発も期待できる。
乾坤一擲の大駆けに期待したい!
スノードラゴンちゃんのかわいい画像!(*´Д`*)ハァハァ・・
年齢的には「おっさん」に差し掛かっている
スノードラゴンだが年齢を重ねて
ますます白くなる馬体と、クリクリした眼が
一部の女性ファン(?)に大人気!
出典:pinterest
出典:pinterest
今回も是非競馬場を盛り上げてほしいものだ!
ゴーディー(牡10歳) 73戦11勝
出典:フォト蔵
出典:netkeiba
父:プレシャスカフェ
母:イケノエメラルド
母父:コノミテイオー
…聞いたことのない母系だな
と思って調べていたら
4代前の血統表に
イナリトウザイの名前が。
イナリトウザイ!?
Σ(゚д゚;) ヌオォ!?
アラブの魔女と呼ばれた馬。
サラブレットではないアングロアラブ。
(アングロアラブとはサラブレッドとアラブの混血種)
戦前の混乱期に
丈夫で粗食にも耐えうるアングロアラブを
中心とした競馬の施工が推奨され
1970年代ごろまでは積極的に
生産・競争が行われていた。
一般的にはアラブと
サラブレッドを比べると
そこには歴然とした差があり
サラブレッド相手にアングロアラブは
勝てないというのが定説だった。
ところがその定説を打ち破ったのが
イナリトウザイである。
1973年のデビュー戦からは
アラブ限定戦を使われ3連勝。
アラブ馬に敵なしと見るや
サラブレッドのレースに殴り込み
オープンクラスで3連勝。
特に福島競馬場での
「東北3歳ステークス」では
のちの桜花賞馬タカエノカオリを
蹴散らし見事に勝利!
クラシックの出走権は
アラブ馬には与えられなかったため
アラブ競馬の賞金の高い大井に移籍し
南関東アラブ三冠の「アラブダービー」を
あっさり制覇。
その後サラブレッドのオープン競走を
あっさり制覇し「アラブ王冠」に
駒を進めたもののあまりの強さに
他馬の陣営が恐れをなして回避馬が続出。
結局出走頭数が集まらず
レースが不成立となる伝説(珍事?)も生まれた。
それならとイナリトウザイ陣営は
サラブレッド相手の重賞
東京盃(ダ1200m)に出走。
ここを1分10秒5のレコードタイムで駆け抜け
大井所属の一線級のサラブレッドも撃破してしまった。
ちなみにこの時計は
当時の東京競馬場の芝1200mの
レコードを0.3秒上回る
驚異的な時計だった。
そんなアラブの魔女も
アングロアラブの生産と競走の中止によって
時代に埋もれた存在になったものだと
てっきり思っていた。
しかし!
その血は生きていたのだ。
ゴーディーの母系は
アングロアラブの名門血統。
アラブの魔女イナリトウザイが
アングロアラブ種牡馬リーディング4回の
キタノトウザイを生み
キタノトウザイからキタノエメラルドが生まれ
そこから笠松のアラブダービー、
アラブギフ大賞典、名古屋のアラブ王冠など
27勝を上げたイケノエメラルドが出ている。
そのイケノエメラルドの仔が
ゴーディーなのである。
ゴーディの父はサラブレッドの
プレシャスカフェ。
アラブ血量は12.5%で昔でいうところの
「サラ系」と呼ばれるくくりである。
イケノエメラルドはその血を
後世に残したいという生産者の情熱で
繁殖入りしている。
また父プレシャスカフェも
わずか1世代、12頭の産駒を残して
既に乗馬に転身している。
プレシャスカフェの父は
95年の安田記念を勝った
ハートレイク。
ヌレイエフの直仔で
種牡馬としても期待されたが
調教中の事故でわずか3世代の産駒のみで早逝した。
父系も母系も時代の流れに
消えようとしているが
ゴーディーはまだまだ現役バリバリ。
10歳になっても丈夫に走ることのできる
そのパワーは間違いなくアラブの血の賜物。
重賞競走ではやや分が悪いかもしれないが
祖先を彷彿とさせるような
好走に期待したいものである。
まとめ
いや~、
この10歳馬2頭。
とにかく無事に
レースを終えてほしいものである。。
10歳馬といえば、人間でいうと
40歳前後であろうか。
中年の星が、まだまだ頑張る。
これは応援せねば!
皐月賞で
オウケンムーン-アイトーンで
何の面白みもなくすぐに紙屑になった
馬券を握りしめながら
水曜日はPCの前で
おっさん2頭の頑張りを眺めることにしよう。