土曜日のチャレンジカップ(GⅢ)では
私の本命ブレスジャーニーは3着。
直線でやや窮屈な位置取りになってしまい
ブレーキをかけるような形となってしまったが
それさえなければ充分突き抜けることが出来そうな末脚だった。
(※ゴール版通過後に「てめぇ、ヨシトミこのやろぉ~!!」とWINSで叫んでいたのは私です。
どうもすいません)
結局1着から4着まではクビ、クビ、ハナの大混戦だったが
4着から4馬身離された5着にひっそりと(?)突っ込んできたのが
スーパーマックスである。
このスーパーマックス、
地方佐賀競馬の九日俊光厩舎所属のカク地馬である。
地方競馬所属馬がJRAの重賞で掲示板に載ったのは
おそらくかなり久しぶりなことではなかろうかと思う。
その昔、「ホッカイドウ競馬の雄」コスモバルクが
クラシック戦線を賑わし、最終的には海外GⅠも制覇する偉業を成し遂げた。
また99年フェブラリーSでのメイセイオペラや
95年報知杯4歳牝馬特別でのライデンリーダーは
ファンに強烈なインパクトを残した。
土曜日のチャレンジカップでのスーパーマックスの最後の末脚は
負けはしたが偉大な先輩たちを彷彿とさせるような見事なものであった。
今日は九州競馬の猛者、スーパーマックスにスポットを当てる。
目次
スーパーマックス(牡3) 14戦10勝
「スーパーマックス」というフレーズをインターネットで検索すると
- アメリカコロラド州にある世界最高レベルのセキュリティを誇る刑務所
- ネットの出会い系サイト
がヒットするが、どちらも違う。
14戦10勝で「佐賀の英雄」と呼ばれる馬である。
「佐賀の英雄」という称号は、おそらく江頭2:50以来。
主な勝ち鞍は2017年の佐賀皐月賞と九州ダービー。
佐賀競馬のレースでは10戦10勝とパーフェクトな実績を誇っている。
7月の大分川賞(佐賀ダ1800m)では古馬相手に
2着に2,4秒差をつける大楽勝。
今年の夏の時点で既に芝適性を見出されていたようで
JRAの芝レースの遠征は今回で2度目。
夏の小倉日経OP(小倉芝1800m)では12頭立ての8着だったが
今回は重賞(GⅢ)で大善戦の5着。
今後も充分中央の芝レースでも活躍できるポテンシャルの高さを示した。
スーパーマックスの血統
父のリーチザクラウンは通算4勝で新種牡馬。
主な勝ち鞍は2009年のきさらぎ賞(GⅢ)
2010年の読売マイラーズカップ(GⅡ)
2009年の日本ダービーでは史上に残る不良馬場の中
ロジユニヴァースの2着に入っている。
現役末期は喘鳴症(ノド鳴り)に苦しめられ満足な結果を残せなかったが
菊花賞や安田記念で1番人気に推されるなどファンの期待の非常に高い馬であった。
リーチザクラウンの父スペシャルウィークは
名門:小岩井牧場が戦前に輸入したフローリスカップを祖とする
日本でも有数の一大牝系の出。
また、リーチザクラウンの母クラシッククラウンから遡る母系は
アメリカの名門の出身(一族からチーフズクラウンなど)で
血統背景は非常に優秀なものであることが伺える。
リーチザクラウンは種牡馬としても優秀で
初年度産駒から今回の主役スーパーマックス以外に
シンザン記念を勝ったキョウヘイをターフに送りだしている。
母のレヴェトンの父はMalibu Moon。
北米のサイアーランキングでも上位の名種牡馬である。
スーパーマックスの血統表の中には
Seattle Slewの3 x 4
Mr. Prospectorの4 x 4
Secretariatの5 x 5
Boldnesian、Stay At Homeの5 x 5
という米国産馬のクロスがみられる。
地方競馬の有力3歳馬たち
実は今年の地方競馬の3歳馬たちは非常に優秀な馬たちが多いのである。
スーパーマックスだけではなく
フリビオン(父フリオーソ/高知競馬所属/高知優駿でスーパーマックスに勝利※高知2冠馬)
スーパーステション(父カネヒキリ/ホッカイドウ所属、ダービーグランプリ勝ち)
ヒガシウィルウィン(父サウスヴィグラス/船橋所属、JDD勝ち)
など中央競馬でも勝負できそうな実力馬がズラリ。
是非こういった地方競馬の猛者たちも
どんどん中央競馬に殴り込みをかけてほしいものである。
例えば、今回のチャレンジカップでスーパーマックスは5着に入ったわけだが
このレースで獲得した賞金は410万円。
これは前走、韓国岳賞(佐賀OP)1着賞金の約4倍(!)である。
地方競馬は運営が地方自治体のため(※JRAは農林水産省管轄)
賞金がどうしても中央競馬に比べると低くなってしまう。
勝負できそうな実力を持つ馬は
是非中央競馬にきて、中央の猛者たちに挑んでほしいものである。
まとめ
99年フェブラリーSの時のメイセイオペラ(岩手競馬所属)への
ファンのまなざしは非常に熱いものがあった。
「岩手競馬の全てを背負って」みたいな
雰囲気の中で中央競馬の強豪を蹴散らしたメイセイオペラ。
騎乗していた菅原勲騎手の渾身のガッツポーズも
カッコよかったし、レース後の「イサオコール」もまた乙なものだった。
こういう地方からの遠征馬はファンの思い入れも格別なものがあるし
競馬の活性化にもつながると思われる。
次のスーパーマックスの挑戦は
地方交流競走の佐賀記念になるかもしれないが
また来春、中央の芝レースに挑戦して
その時は是非勝利の雄叫びを上げてほしいものである。